東京ムジーククライス第10回定期演奏会に寄せて vol.4

清岡優子<コンサートミストレス>より

image1私がメサイアと出会ったのは中学1年生の時。キリスト教の学校だったので全校生徒で参加するクリスマスミサが毎年あり、そのミサの中で「ハレルヤ」を歌うのが恒例でした。しかしその頃は、長大な「メサイア」という曲の中の一曲だという事などつゆ知らず。

東京藝術大学に入学し、先輩に勧誘されるがままにバッハカンタータクラブへ入部。そこからつながったご縁で初めてメサイア全曲を演奏した時、長い道のりを経てたどり着いた「ハレルヤ」は、別世界でした。そしてまた、物心ついた時にはすでにクリスチャンになっていた自分を、初めて受け入れようと思った瞬間でもありました。

今回は人生で初めてのモーツァルト編曲のメサイア演奏。どんな世界が広がるのか、楽しみで仕方ありません!

東京ムジーククライス第10回定期演奏会に寄せて vol.3

藤井雄介<テノール>より

fujii_yusukeもう15年以上も前、広島で学生をしていた頃、4年生最後の試験曲として、メサイアの最初のアリア”Ev’ry valley shall be exalted”を歌いました。

当時は音符を追うだけでそれはそれは必死でしたが、先生から「どうせメサイアは全部歌わなきゃいけないから、今からよく勉強しときなっ」とのアドバイス。 先生、ありがとう。

歌うたびに新たな壁を与えてくれるメサイア、しかも今度はモーツァルト版! より新鮮な気持ちで、すごいパワーを持ったTMKの皆さんとの共演を楽しみにしています。

是非ご来場下さい!

東京ムジーククライス第10回定期演奏会に寄せて vol.2

松井亜希<ソプラノ>より

matsui_akiメサイアの2部の最後のコーラス「ハレルヤ」。

あまりにも有名なこの曲ですが、私は中学1年の時に全校合唱で歌ったのが初めてでした。英語の授業も始まったばかりで不慣れな英語に格闘した記憶があります。後にこの曲が演奏時間3時間の大作「メサイア」の中の1曲だと知りました。

私が初めて歌ったクラシックの曲がハレルヤだったので、この作品を演奏する時、いつも初心に帰るような、初々しい気持ちになります。

今回はドイツ語で演奏しますが、英語のオリジナルとは違った響きや表現が新鮮で、メサイアをよくご存知の方も愉しんでいただけると思います。

東京ムジーククライス第10回定期演奏会に寄せて vol.1

渡辺祐介<指揮/常任指揮者>より

watanabe_yusuke学生の頃から今に至るまで、バッハの教会カンタータや受難曲等と並んで、ヘンデルの《メサイア》を演奏する機会が多い僕ですが、演奏するたびに思うのは、バッハの音楽が「脳の中を何度も周回してから、体中に染み渡るように迫って来る感動」なのに対して、ヘンデルの、特に《メサイア》は「脊髄反射的に興奮させられる音楽である」ということです。

こう書いてしまうと、いかにもヘンデルの作品の方が底が浅いように思えてしまうかもしれませんが、決してそういうことではなく、バッハにも劣らぬ教養と才能を持ったヘンデルが (それどころか、当時はヘンデルは全ヨーロッパ的な名声を勝ち得ていたわけです)、わざとそのように書いていたということで、それを裏打ちする “音楽的な懐の深さ”があったればこそ、今日に至るまでこの作品は世界中で愛好されているのだと思います。そもそも、刹那的な興奮しか得られぬ作品が、長く残るはずがないのです。

モーツァルトはそのヘンデルを非常に尊敬し、《メサイア》を含めてヘンデルの4つの声楽曲の編曲版を残しています。バッハにも相当な尊敬の念を持っていたようですが、モーツァルトにとってヘンデルの方が、遥かに他人とは思えぬ存在であったのでしょう。恐らく、自分の作品とは作風は違えど、そこに通暁するものは「脊髄反射的興奮」であったからに違いありません。モーツァルトの作品も、頭で延々考え尽くされた後にやっと音符になったものではなく、瞬間的で強烈なインスピレーションに基づいてはいるが、しかし完璧なフォルムで生まれでたものに、僕には思えます。

今回演奏するモーツァルト編曲の《メサイア》は、僕に言わせれば、「出会うべくして出会った」音楽史上最高の才能に恵まれた二人による、奇跡のコラボレーションだと言えます。

《メサイア》の編曲版は他にもたくさん存在しますが、モーツァルトのそれは、ヘンデルの大作に対してガチガチに構えて対峙しているという ものではなく、あたかも過去の自分の作品に接するように、その中を本当に自由に泳ぎ回り、モーツァルト一流の魔法をかけて回っているかのようです。

ベートーヴェンは「バッハはBach (小川) ではなく、Meer (大海) である」という名言を残していますが、モーツァルトにとっての “Meer” は他 ならぬヘンデルであったに違いありません。

ともかく無類に面白い作品です。是非聴きにいらしてください!

第10回定期演奏会オーケストラメンバー

第10回定期演奏会オーケストラメンバーです。在京、東京近郊のプロオーケストラの
首席クラスの方々をはじめ、素晴らしいプレイヤーの皆様にお集まりいただきました!

フルート
三枝朝子、鶴田洋子

オーボエ
工藤亜紀子、高橋舞

クラリネット
川井夏香、芹澤美帆

ファゴット
鈴木禎、長谷川太郎

トランペット
斎藤秀範、野田亮

ホルン
萩原顕彰、古江仁美

トロンボーン
上田智美、大馬直人、村本悠里亜

ティンパニ
井手上達

ヴァイオリン1
清岡優子☆、廣海史帆、藤崎美乃、前田奈緒
山本有紗、崔樹瑛 、真野謡子、河野由里恵

ヴァイオリン2
村津瑠紀、本郷幸子、小杉結、鈴木由美
福井彩花、岡田紗弓、平野悦子、増村寿乃

ヴィオラ
成田寛、渡部安見子、三好紅
桜井亮子、中田美穂、春木英恵

チェロ
山本徹、西澤央子、野津真亮、土師晋太郎

コントラバス
西澤誠治、平塚拓未、布施砂丘彦

フォルテピアノ
重岡麻衣

☆…コンサート・ミストレス

※演奏曲目、並びに出演者は、やむを得ない事情により変更になる場合がございます。
予めご承知おきください。

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