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W.A.モーツァルト「レクイエム ニ短調」

W.A.MOZART  ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
”Requiem”d-moll KV626  レクイエム ニ短調  (ロバート・D・レヴィン補筆完成版)

【編成】
独唱(ソプラノ、アルト、テノール、バス)、4声合唱
2バセットホルン、2ファゴット、2トランペット、3トロンボーン、ティンパニ
2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、オルガン

初演 1793年12月14日  ウィーン

モーツァルトが作曲した「死者のためのミサ曲」であり、作曲途中で夭折した生涯最後の作品として広く知られています。その絶筆をめぐる数奇なドラマは、後世に様々な噂や憶測を呼び、現在に至るまで映画や小説などあらゆるメディアで表現されてきました。またモーツァルトが亡くなった後、作品は弟子のジュスマイヤーらの手によって補筆、初演されましたが、そもそもが未完でありモーツァルト自身によるスケッチも限られていた為に、補筆の妥当性が初演直後から現在に至るまで議論の対象となり続け、一般的なジュスマイヤー版の他にも、バイアー版、モーンダー版など、ランドン版、ドゥルース版など、その時代の研究家、音楽家による新しい解釈により演奏されています。
今回のコンサートで採用致します「レヴィン版」は、ピアニスト、作曲家、音楽学者であるロバート・D・レヴィンが、宗教曲演奏の第一人者であるヘルムート・リリングの協力を得て、1991年に補筆完成させたものです。20世紀モーツァルト研究において最大の発見とされるヴォルフガング・プラートによる1961年の新発見、モーツァルト自筆の16小節の断片草稿を基に、88小節に及ぶアーメンフーガを展開し、また後半部では、ジュスマイヤーの補筆を最大限に尊重した上で、他モーツァルト作品にみられる様式上の同一性を忠実に確保しようと大胆な加筆・修正を加えるなど、数ある中でも出色の補筆との評価が、近年高まっています。