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出演者プロフィール -東京ムジーククライス 第4回定期演奏会-

渡辺 祐介 (わたなべ ゆうすけ) <指揮> 常任指揮者

yusuke_3.jpg東京藝術大学卒業、同大学院修士過程修了。在学中は声楽を多田羅迪夫氏に師事。在学中より芸大バッハカンタータクラブに在籍、小林道夫氏の指導と指揮のもと、J. S. バッハの受難曲並びに教会カンタータのバス・ソロを数多く務める。特にヨハネ、マタイの両受難曲ではイエス役を務め、その劇的表現が好評を博した。また2005年3月を以て同クラブの指導から勇退した小林道夫氏に代わり、同年4月から2008年3月まで、後進の指導にあたった。一方、ペーター・コーイ、ゲルト・テュルク、ロビン・ブレイズ氏ら、古楽における世界的声楽家にも師事している。ソリストとしては主に宗教曲の分野で活躍し、J. S.バッハの教会カンタータ及び受難曲、ヘンデル《メサイア》、モーツァルトの《戴冠ミサ》《レクイエム》等のバス・ソロを務めた。2002年4月からは、鈴木雅明氏の主宰するバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとなり、声楽アンサンブルメンバー及びソリストとして、国内外のツアー、レコーディングに数多く参加している。特に2007年11月に行われたヘンデルのオラトリオ《エジプトのイスラエル人》の公演ではバス・ソロを務め、その伸びやかな歌声が好評を博し、そして同公演はラジオを通して全国に放送された。また17世紀イギリスの作曲家、ジョン・ダウランドのリュート歌曲に深く傾倒し、その理想的演奏を目指して、カウンターテノールの上杉清仁氏、リュート奏者の佐藤亜紀子氏等と共に「Seven Tears Consort」を結成・主宰し、東京及び山形にて数度の演奏会を開き、好評を博している。2006年にはテノールの水越啓氏らと「ロゴス・アポカルプスィス」を結成、同年11月にバッハ《ヨハネ受難曲》、2007年12月にブクステフーデの連作カンタータ《我らがイエスの四肢》を指揮者なしで上演し、いずれも成功を収めている。2006年に若手社会人合唱団「東京ムジーククライス」の常任指揮者に就任。2008年9月よりオランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、ペーター・コーイ、マイケル・チャンス、ジル・フェルドマン、リタ・ダムスの諸氏のもとで研鑽を積んでいる。

松井 亜希 (まつい あき)  <ソプラノ>

matsui_3.jpg岩手県出身。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院修士課程を経て、今年3月に博士課程を修了。音楽博士の学位を取得。学部卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞し、第74回読売新人演奏会ならびに同声会新人演奏会に出演。2008年には三菱地所賞を受賞し、丸ビルホールにてジョイント・リサイタルを行なう。第13回日仏声楽コンクール優勝。第16回友愛ドイツリートコンクール優勝、ならびに文部科学大臣奨励賞・日本R.シュトラウス協会賞を受賞し、ウィーンにてリサイタルを行なう。第77回日本音楽コンクール(歌曲部門)入選。2008年7月に東京文化会館小ホールにて日本演奏連盟主催によるフランス歌曲のソロ・リサイタルを行ない、「清純な詩情に溢れた透明感ある歌唱」と評される。近年はバッハ・コレギウム・ジャパンのソリストおよびアンサンブルメンバーとして国内外の公演や録音に参加、2009年1月のカナリア諸島音楽祭公演では急遽代役ソリストを務め、喝采を浴びた。また、バロックから現代音楽まで多種多彩な作品を演奏するアンサンブル・ジェネシス(鈴木優人主宰)唯一の声楽メンバーであり、2009年3月にNHKの番組「クラシック倶楽部」(BS-hi)にて、「光と影の芸術」というテーマでヴィヴァルディのモテットやヒンデミット歌曲作品、モーリス・フェルドマンのトリオ作品や新垣隆氏の新作を演奏した。また、2009年5月に新国立劇場とバッハ・コレギウム・ジャパンの共催で行われたモンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」では、本番数日前に急遽役が追加となったが見事に期待に応え、高い評価を得た。演奏活動は東京だけに留まらず、2009年7月には名古屋交響楽団とメンデルスゾーンの劇音楽「真夏の夜の夢」で共演したほか、11月には京都交響楽団とモーツァルトのモテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」で初共演するなど、その活動内容と範囲はますます充実したものとなっている。これまでに村松玲子、尾高綾子、中村浩子、朝倉蒼生、三林輝夫(フランス歌曲)、コンラート・リヒター(ドイツ歌曲)、寺谷千枝子の各氏に師事。

上杉 清仁 (うえすぎ すみひと) <アルト>

uesugi_3.jpg高知県出身。高知大学卒業。同大学院修了。東京藝術大学大学院博士後期課程を修了し博士号(音楽)を取得。2005年からスイス・バーゼル音楽院・スコラカントルムに留学し、ゲルト・テュルク、アンドレアス・ショル両氏で研鑽を積む。これまでに、声楽を小原浄二、野々下由香里、伊原直子、戸田敏子、ペーター・コーイ、ロビン・ブレイズ、パスカル・ベルタン、クラウス・オッカーの各氏に、中世声楽アンサンブルをドミニク・ヴェラー、クロフォード・ヤング、キャサリン・ディニーン、アンサンブルをアンドレア・マルコン、アントニー・ルーリーの各氏に、バロック歌唱装飾法を故大橋敏成氏に師事。2000年古楽コンクール(山梨)において最高位受賞。伴わせて、『蔵の街』音楽祭賞を受賞し、その記念リサイタルを行う。また朝日新聞社主催の芸大メサイアのソリストを二年連続で務め好評を博す。そのしなやかで柔らかい美声には定評があり、ヨーロッパの多くの国でフェスティバルや演奏会に参加しており、日本で数少ないカウンターテナーとして注目を集めてる。これまでの主なレパートリーとして、J.Sバッハ『マタイ受難曲』『ヨハネ受難曲』『ロ短調ミサ』『クリスマス・オラトリオ』『マニフィカト』各ミサ曲、カンタータ、ヘンデル『メサイア』『エジプトのイスラエル人』『グロリア』、モーツアルト『ハ長調ミサ』『ひばりのミサ』『レクイエム』、オペラにおいては、モンテヴェルディ『オルフェオ』『ポッペアの戴冠』、フィリドール『太ったカトスの結婚』、ヘンデル『オルランド』『ジュリアス・シーザー』『リナルド』、パーセル『ダイドーとエネアス』、モーツァルト『ポントの王ミトリダーテ』等がある。また現代オペラにおいて、ブルーノ・マデルナ『サテュリコン』(クァルティラ)、間宮芳生『ポポイ』(ポポイ)を演じた。アンサンブルの分野でも、中世・ルネッサンスから現代曲まで広い範囲のレパートリーに取り組んでいる。バッハ・コレギウム・ジャパン、声楽アンサンブル『ラ・フォンテヴェルデ』、ロゴス・アポカリプシス、Seven Tears Consort、高知バッハ・カンタータ・フェライン各メンバー。北九州聖楽研究会、アンサンブルシュッツ名古屋、ヴォイストレーナー。東京ムジーククライス副指揮者。

藤井 雄介 (ふじい ゆうすけ) <テノール>

fujii_3.jpg大分県出身。14歳より声楽を始める。声楽を外川香奈子、オルガ・ワルラ・コロ、奥田誠、枝川一也、鈴木寬一、寺谷千枝子の各氏に師事。1995年第49回瀧廉太郎記念音楽祭、全日本高等学校声楽コンクール最優秀賞。高校文化連盟全九州音楽コンクール声楽部門グランプリ。1996年第3回高校生国際芸術コンクール声楽部門第3位。これまでに、バッハ《ロ短調ミサ》《マニフィカート》、ヘンデル《メサイア》《エジプトのイスラエル人》、ハイドン《四季》《天地創造》、モーツァルト《レクイエム》《ハ短調ミサ》、ベートーヴェン《交響曲第9番》、ブルックナー《ミサ曲第3番》、ドヴォルザーク《レクイエム》《ミサ曲ニ長調》、プッチーニ《グロリア・ミサ》、などのソリストを務める。バッハ・コレギウム・ジャパン(鈴木雅明氏音楽監督)では、2007年ヘンデルプロジェクト《エジプトのイスラエル人》でのテノール・ソリストをはじめ、声楽メンバーとして公演、録音に参加。また故佐藤功太郎、小林研一郎、広上淳一、現田茂夫、ロルフ・ベック氏等の指揮者のもと、日本フィルハーモニー交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、オーケストラ・アンサンブル・金沢等と共演。広島大学教育学部音楽科卒業。東京藝術大学音楽学部声楽科を経て、同大学院修士課程修了。現在、同大学院音楽研究科博士後期課程在籍。

与那城 敬 (よなしろ けい) <バス>

yonashiro_3.jpg神戸市出身。兵庫県立西宮高等学校音楽科ピアノ専攻卒業。桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。大学卒業後声楽に転向し、同大学研究科声楽専攻修了。二期会オペラストゥーディオ第46期本科修了。修了時に奨励賞を受賞。新国立劇場オペラ研修所第5期修了。平成17年度文化庁派遣芸術家在外研修員としてミラノに留学。第11回世界オペラ歌唱コンクール「新しい声2005」アジア予選代表。ドイツ本選出場。第16回マリオ・デル・モナコ国際声楽コンクール第3位(1位なし)入賞。第18回奏楽堂日本歌曲コンクール第1位、中田喜直賞受賞。新国立劇場オペラ研修所在籍中に「こうもり」ファルケ、「ドン・ジョヴァンニ」タイトルロール等に出演。06年芸術大賞を受賞した「コジ・ファン・トゥッテ」(パスカロ・ヴェロ指揮、宮本亜門演出)グリエルモで東京二期会オペラデビュー。その後、北とぴあ国際音楽祭2007「オルフェーオ」アポロ、東京芸術劇場シアターオペラ「道化師」シルヴィオ、小澤征爾音楽塾特別コンサート「カルメン」エスカミーリョ等の公演に出演。最近では東京二期会公演「エフゲニー・オネーギン」(ペーター・コンヴィチュニー演出)オネーギン、藤沢市民オペラ公演「メリー・ウィドウ」ダニロ、横須賀芸術劇場15周年記念公演「ダイドーとイニーアス」イニーアス等に出演し高い評価を得ている。バッハ「マタイ受難曲」、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」「戴冠ミサ」、ベート-ヴェン「第九」等のソリストとして活躍する他、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバー及びソリストとしても国内外の公演に参加している。二期会会員。 http://www.yonashiro-kei.com/

東京ムジーククライス <合唱、管弦楽>

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2006年10月、首都東京を本拠地とし、バロックや古典・ロマン派の宗教曲、とりわけJ.S.バッハの作品の研究、及びその演奏活動を目的に設立された合唱団、音楽団体。常任指揮者には、バッハ・コレギウム・ジャパン等で広く活躍中の渡辺祐介氏を迎え、また国内外で活躍する気鋭の音楽家を数多く指導者・演奏者として招聘し、併設のプロオーケストラと共に演奏活動を行っている。20代・30代の若手社会人や学生ばかりが集った、濁りなく機動性溢れる合唱アンサンブルは、楽器としての“声”の迫力、美しさや豊潤さを新たに感じさせるものとして評価を得ており、その活動スタイル、また意欲的なプログラミングとも相俟って各方面から注目を集めている。

鈴木 優人 (すずき まさと) <作曲>

suzuki_4.jpg1981年オランダ生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業後、同大学院古楽科及びオランダ、ハーグ王立音楽院オルガン科と即興科を最優秀の成績で修了。作曲を青島広志、永冨正之、尾高惇忠の各氏に師事。アンサンブル・ジェネシス音楽監督。日独リートフォーラム主宰。舞台演出も手がける。主要作品にさまざまな編成による”Apokalypsis” i 〜v (iiはSette Voci、vはムジカ・ヴィッツ委嘱)、パイプオルガンのための”YOKOHAMA” (横浜みなとみらいホール委嘱)、弦楽四重奏のための「永訣の朝」など。